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愛するものたちとの日常。


by candy-k1
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「髪結いの亭主」「クラッシュ」

「髪結いの亭主」

「髪結いの亭主」「クラッシュ」_b0102023_21552242.jpg
(shiro_takaさん)やっと見れました。
幼い頃の憧れ(この憧れ、少年の甘酸っぱい想いが、濃密に凝縮されている)から、「髪結いの亭主」になることが、夢だった少年、アントワーヌ。大人になったアントワーヌは、髪結いマチルドに出逢ったその日にプロポーズ。念願の「髪結いの亭主」となった。
結婚して10年間、喧嘩は1度だけ。愛し愛される日々を送っていたが・・・・

オープニングのアラビアダンス?これ、ノックアウト(笑)
久々に強烈なオープニングでした。
ジャン・ロシュフォール演じるアントワーヌ、現実に自分の傍にいたら、かなり怪しいお方と、判断しちゃうだろうな。(でも、そう思わせないのがロシュフォールの凄いところかもしれません)

見終わって・・・余韻が残る映画。
マチルダが選んだ事は、私個人としては、良くない事だと思うけれど、でも、その行動を起こした彼女の気持ちは、痛いくらいに理解できてしまった。
それだけ、彼との愛の日々が、幸せで、きらめいたまま残しておきたい日々だったのでしょう。
マチルダの美しさを輝かせていたものは、彼女の中にある儚さだったのかもしれないな。

ルコント監督、全作品を見たわけではありませんが、彼の描く愛の形は、見終わった後、いろいろ考え、そして自分の心をいろんな想いが巡っていきます。

マイケル・ナイマンの音楽も、やっぱり素敵。
映像に溶け込み、それでいて、美しく強烈に心に訴えかける。
どうしたら、あんなに美しい旋律を生み出すことが出来るんでしょうね。


「クラッシュ」

「髪結いの亭主」「クラッシュ」_b0102023_2101588.jpg
ロスのハイウェイで起きた交通事故。この事故をきっかけに、様々な人間の人生が、衝突し、連鎖していく。









日本に住み、人種差別は身近なものではない私にとって、今もって、人種の壁は高く積まれているんだということに、正直驚いた。
でも、日常の中で、様々な形で、差別や偏見は、生きている。
そして、私自身も、意識をしていないだけで、他の人を見下したり、偏見を根にした眼差しを向けたりしているのかもしれないなと、自分の意識を探る必要があると感じました。
それを気づかせてくれたのが、マット・ディロン演じる人種差別主義の警官を軽蔑する若い警官が起こした、ある事件。
これは、衝撃でした。気づかされました。

これを持っているから、持っていないから、肌の色が違うから、誰が偉くて、誰が劣っている、なんて、人が作り出した価値でしかないのに。
どうして、わたし達は、そのことに、囚われてしまうのだろう。
そんな気持ちが、沸いてきました。

それでも、人が人の心に触れ、そこで救われる心があることも、この映画は語ってくれています。印象的だったのが、サンドラ・ブロックが演じた女性。
彼女は、これまで生きていた自分の世界では、発見できなかった、形にできない大切なモノを、見つけることができた。
見ていた私も、暖かい気持ちになりました。

登場する人物全てが主人公とも言える、様々な人間の人生を、一つの束にしていく構成が、見事。実にうまくまとめあげていて、感服です。

脚本・監督のポール・ハギスは「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本も手がけた人物。
ミリオンダラー・ベイビーも、見終わった後、考えさせられる映画だったけれど、このクラッシュも、様々な視点で、わたし達に語りかけてくる映画だったなぁ。
by candy-k1 | 2006-08-30 22:00 | 映画 音楽  本