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愛するものたちとの日常。


by candy-k1
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映画、覚え書き 

ここ数ヶ月の間に見た映画の感想を、つらつらと。
どうしても、ジョニーの映画が公開されている間は、ジョニーの映画ばかり見に行ってしまって(ええ。同じ映画です♪先日、友人にその事を言うと、まじで?と驚かれましたので、一応お断り・笑)、鑑賞本数が少なくなってしまうんだけれど(笑)。


【ONCE ダブリンの街角で】

公式サイト

アイルランド・ダブリンの街を舞台に、プロのミュージシャンを目指し、歌を歌う「男」と、人生の重大な決断に心を迷わせながらも、チェコからアイルランドに移住してきた「女」が、音楽を通して、心を通わせ、また、互いに、それぞれの人生を模索しながらも、大きく船を漕ぎ出していく、その時までを描いている。
見終わった後、静かに、ひたひたと余韻とともに感動が広がっていった。

劇中の主人公には、名前がない。
名前がないまま、話がすすんでいく、それも面白い。
男は、昔別れた恋人を忘れられず、それでも、今目の前にいる女に淡い恋心を抱く。
夫との結婚生活に終止符をうつかどうか、その迷いの中で、男と出会い、音楽を共に作る中で、時間を重ねながらも、自分の、今ある現実をしっかりと見据え、それを守ろうとする、女。
行ったり来たりの二人に、この先どうなるのかなぁと、二人の行く末が気になったけれど、私の予想とは全く違った、意外な結末で。
そうか、そういう形もあるんだな、と。
だからこそ、互いに忘れられない存在になり得るのかもしれない。

男が、女にプレゼントしたモノに「いかしてるなぁ」(古い?・笑)と、にんまり。

ストーリーを通して、重要且つ大きな割合を占める、音楽が最高にいい!!
見終わった後、すぐさまサントラを買いたくなった。
楽器店で、男の作った曲に、女がピアノで音を重ね、曲を作り上げていくシーンなどは、
昔々、バンドに参加していた私にとっては、なんとも懐かしさを感じるシーンで、好きな場面。

先日のアカデミー賞で、劇中で使われた「Falling Slowly」が、歌曲賞を受賞しましたが、
主演の二人は、実際にもミュージシャンだそうで。
受賞の前には、舞台上で「Falling Slowly」を披露してくれてました。
彼が弾いていたボロボロのギター、劇中でも使われていたギターでした。
穴がそこかしこに開いたギターですが、彼の自前のギターなのかしら?
新品のピカピカギターで舞台に登場しなかったところに、高感度アップ(^^)


【テラビシアにかける橋】

公式サイト


貧困が故にいじめられているジェス。
ジェスの家の近くに引っ越してきた、周りの女の子とは少しだけ違った雰囲気を持つ女の子、レスリー。
二人は次第に心を通わせ、空想の王国テラビシアを作り上げ、友情を育んでいくのだが、ある事件が起き・・・・。

うんうん。秘密基地作って遊んだなぁ。
などと遠い思い出に心を馳せながら、劇中の二人の子供の成長を見ていると、柔らかい気持ちになった。
二人が打ち解けていく様子も、いきいきと描かれていて。

また、いじめられっ子のジェスが、レスリーに影響を受けながら、自身を持ち、成長していく様は、同じような経験を持つ、また、その最中にいる子供がいたら、もの凄く勇気づけられるはず。
ジェスの目が、どんどん力強くなっていく少年の心の変化を演じたジョシュ・ハッチャーソン君、上手だなぁ。
ジェスの父親を演じたロバート・パトリックも、生活が上手く回っていかない、男親として息子に威厳を保てない苛立ちを、静かに演じていて、感心。
ただ、どうしても「ターミネーター」がちらついちゃったんだけど(笑)。

大人が見ても、子供が見ても。
共感できる部分が散りばめられた、ちょっとせつない、優しい気持ちになれる映画だったな。


【潜水服は蝶の夢を見る】

公式サイト

フランスを代表とする雑誌ELLEの編集者であったジャン=ドミニク。
目覚めたとき、そこは病院で、自分が脳梗塞で倒れたことを知る。
意識も、記憶も、はっきりしている。
でも、唯一動かせることができるのは、左目のみ。
その唯一動く、自分の意志を伝えることができる左目の、20万回のまばたきによって、
自伝を書き上げた実話。

病院で目覚めたジャンの目線で展開されていく、一人称なカメラワークが素晴らしい。
いつしか、ジャンの視点・思考と、一体化していくのだもの。
後半、左目を使って意志を伝える、ジャンの想像力の世界が描かれた映像は、それはそれは静かで、うっとりするほど美しい。
場面場面で流れる音楽も、とても効果的に使われています。

さて。お話に戻って。
自分が、彼の立場だったら。
あんな風に、生きることができる?
人生を謳歌していたジャンにとって、目が覚めたときに与えられた情況は、奈落の底に落とされた気分だったでしょう。
人間は弱いもの。
そんな自分を受け入れる作業は、並大抵なことではないはず。
意志が伝えられた最初の言葉は、だからこそ、なのでしょうけれど。

でも、自身を受け入れ、想像力の中を旅することに目覚めてからの、彼。
ユーモアに溢れ、想像の中を自由に行き来するその姿は、見ているこちらに活力を与えられる。
そして、その中で気付く、家族への愛の大切さ。
生きる活力。
体を自由に動かすことができなくなってからの彼が得たものは、それ以前に得たものとは比べようがないくらい、大きいものだったのかもしれない。
そうした彼を支える、病院のスタッフ、家族、そして編集者の忍耐も、素晴らしい。
(自分に置き換えたら・・・あんな忍耐ができるかどうか)

扱いによっては、重く暗いテーマで描くこともできうるところでしょうが、映画全編を通して、重い描き方は一切していなく、さらりと日常的な感覚を持って描いているところも、良かったな。

サントラが素晴らしく良かったので、鼻息荒くCDショップに出向いたのですが、劇中で使われたフレンチのバンド(これ、劇中のジャンの奥さん役であり、実生活ではポランスキーの奥様のエマニュエル・セニエのバンド)のアルバムしかなく。
仕方なく”熱帯雨林”で検索するも、なし。
バッハありかと思えば、トム・ウエイツだ、ヴェルヴェッツだ、U2だ~で、ジョー・ストラマーだ~で!!!
猛烈良かったのに。。。。
是非、サントラ発売してほしいです。熱望!!!!(笑・でも、もの凄く本気)。


ジュリアン・シュナーベル監督は、当初、主人公のジャンを、ジョニーで考えていたようですね。
そして、ジョニーも演じることを熱望してたにもかかかわらず、スケジュールが合わず・・・ということだったようですが。
ジョニーが演じていたら・・と、ファンとしてはやはり、考えずにはいられないところではありますが。

ですがですが。
今回、ジャンを演じたマチュー・アマルリックの演技は、素晴らしかったです。
by candy-k1 | 2008-02-27 20:03 | 映画 音楽  本