愛するものたちとの日常。


by candy-k1
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アンダーグラウンド

「まいったな・・・・」

エンドロールを見ながら涙が流れ、口から出た言葉。


今日は、本当はshiro_takaさんがお勧めされていた「髪結いの亭主」を見るつもりだったのだが、ものぐさ心が働いて、どうにもビデオ屋さんまで行く気分になれず(今度見ます~・汗)・・・・・・
でも、何か観たい気持ちで思い出したのが、友人からお勧めで頂いていた、この「アンダーグラウンド」。
「長いよ~」と聞いていたが、今日は時間がたっぷりある。
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何気なく鑑賞することにしたのだが・・・・何気に観る映画ではなかった。
参りました。降参。やられました。

私の拙い文章と乏しい歴史認識が、感想を書くことで、この映画を汚すのではないかと、とても心配ですが・・・。
           
             ☆☆☆☆☆☆☆

1941年。第二次世界大戦中のセルビア。
クロとマルコの二人は、レジスタンスの同士。
クロがある事件を起こしたことから、マルコはクロの妻、自分の弟をはじめとす避難民を、地下に匿う。

ドイツ将校に寝取られた、クロの愛人ナタリーを奪還するが、あえなく失敗。
クロはドイツ軍に囚われてしまう。
マルコは、クロを愛人ナタリーと共に救出するが、クロが隠れていたとランクの中で「ドイツ兵に囚われた時に使う手榴弾」が爆発。
重症を追ったクロも、地下室に運ぶことに。


45年に終戦し、ユーゴ連邦が発足。
マルコは連邦政府の側近となる。
マルコはクロの愛人だったナタリーを自分の妻とし、様々な政治活動を続ける。

一方、地下に匿われているクロたち。
終戦したことも知らされず、いまも戦争は続き、ドイツの占領下にいると信じ、
地下で武器を作りながら、生活を続けている。
マルコが連邦政府の重鎮となったことも知らずに。
そして、その裏側で、クロたちが作った武器を流す武器商人として私腹を肥やしていることも知らずに。

そして・・・・地下で生まれたクロの息子「ヨヴァン」の結婚式を境に、20年の歳月が破られることに・・・・

           ☆☆☆☆☆☆☆☆

あらすじだけ書いていると、とっても重い戦争・反戦映画のようだけれど、それだけでは終わらない。
全編に渡って流れるジプシー音楽が象徴しているように、人間の面白さ、滑稽さ、悲しさ、優しさ、汚さ、弱さ、いろんなものが2時間45分の中にひっくるめられている。
クロとマルコ、そしてナタリーを中心に物語は繰り広げられるのだが、この三人、実にしぶとく、したたかに、そして時にはあっけらかんと突き抜ける強さをもって生きている。
魅力的な人物の描き方に、愛おしさを感じた。

地上で「今」を暮らすマルコと、マルコが作った「虚構の時間」を「現実」だと信じ、地下で過ごすクロの対比も面白かった。
地下での生活は、地上から見たら虚構なのだけれど、でもそこには、確かに「現実」が存在していて、地上で繰り広げられている「真実」を知らないままのほうが、幸せなんじゃないか?とさえ感じてしまった。

クロと、地下で生まれ育ったクロの息子ヨヴァンが地上に出てくる場面は、ブラックな笑いが詰め込まれていて、面白かった。でもシニカルな笑のその裏に、反戦のメッセージも読み取ることができる。

様々な出来事の背景にあるのは、ユーゴスラビアという国の一生。
「地下の生活」が自分の人生の現実だった事を理解されず、頭がいかれてると、精神病院に入れられてしまったマルコの弟、イヴァンが言った
「ユーゴスラビアに帰りたい」の一言には、涙が止まらなかった。
そして、真実を知らされたイヴァンの悲しみと怒り、懐かしいソニ(チンパンジー)との再会に涙が止まらなかった。

そして、極めつけは、映画のラストシーン。

イヴァンが言う台詞の締めくくり。
これは、もう、圧巻。
「苦痛と悲しみと喜びなしには、子供達にこう語り伝えられない。昔あるところに国があったと」
ずっしりと心に響いてくる。
とてもとても重みを感じた。

本当にユーゴスラビアという国は、「今」を構築することができなくなってしまった国となってしまったのだから。

         ☆☆☆☆☆☆☆☆

いつもこうした映画を観ると感じること。
社会情勢と歴史に、めっぽう疎い自分の情けなさ(汗)
でも、こうして1本の映画に出会うことで、自分が疎かった事柄を知るきっかけを与えてもらえ、考えてみる時間を持つことができることは、とてもありがたいことだ。
前知識を持って観なかったのだが、この次見る時は、もっとお勉強してからにしようかな。
(って、いつも言ってるような気がする・汗)
そして、こんなに良い映画を観てものすごく感動しているのに、その感動を伝える文章力がないってこと。
とってもはがゆい。


3時間弱のこの映画、。
確かに長いけれど、長さを感じず、見入ってしまった。
染み入りました。
この「アンダーグラウンド」私の人生の映画鑑賞作品ベスト10に、入るかもしれないな。

サントラも欲しくなりました♪
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by candy-k1 | 2006-08-02 17:49 | 映画 音楽  本