愛するものたちとの日常。


by candy-k1
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「またね」

6月中旬。
Yちゃんからメールが来た。
1度読んで、理解できず
2度読んで、混乱し
3度読んで、涙と震えがとまらなくなってしまった。

メールには
「突然ですが、主人が亡くなりました」と書いてあった。


*******

そうして私と私の家族は
友人であるYちゃんのご主人を
天に見送った。
通称「カズパパ」
享年45歳。
病を発症しているとわかってから、3ヶ月足らずで
天に旅だってしまった。

Yちゃん家族とは、もうかれこれ15年のおつきあいになる。
子供が小さい頃は、野外好きの我が家がずりずりと引きずり込んで
毎年夏のキャンプに一緒に出かけた。
同じ釜の飯も食ったし、悪天候も乗り越えたし、
何より笑って笑ってを繰り返す楽しい時間だった。

間に互いの子供の中学受験を挟んだり、
子供の性別も違う事もあって
子供達が大きくなってからは
一緒に夏を過ごす事はなくなってしまったけれど
それでも互いに夏は軽井沢に行く事がほとんどだったので
互いの滞在時期をお知らせしつつ
ここ数年は、ばったりな再会を楽しんでいたのだ。
6月に来たメールも、夏の予定のメールだとばかり思っていた。


****

学生時代アメフトをやっていただけあって
病気とは対極にある立派な体格を持ち
真正面から人と向き合おうとする人だった。
おおらかで人当たりの良い、更には人に対する気遣いを忘れない人だった。

家族に対してもその優しさと気遣いを、
ご自身の命の灯が消え行くその時までも忘れなかった。
「まったくもう、カズパパは。。」と言いながら、涙が止まらなかった。

面会時間ギリギリまで病室にいたYちゃんと息子さんに
「もう消灯時間になるよ。遅いから帰りな」と促して
互いに「またね」と言って、別れたそうだ。
その直後、カズパパは息を引き取られたようで、
Yちゃんも息子さんも、最後の瞬間は立ち会えなかった。

でも、きっとこれもカズパパの心遣いに違いないと思った。
Yちゃんにしてみれば、最後を看取ってあげたかった気持ちが強いと思う。
でも、きっとカズパパは最後の瞬間の顔よりも
笑顔で「またね」
と言って別れた自分の顔を焼き付けて欲しかったんじゃないか。
そう考えると、とてもカズパパらしいのだ。

だからなのか
棺の中に横たわるカズパパの顔は、とてもとても安らかで
本当に眠っているようにしか見えなかった。

最後の最後まで家族への愛情に満ちた夫を持ったYちゃんと
格好良い生き様を焼き付けた父を持った息子さんの寂しさは、
簡単に言葉にすることはできやしないだろう。
そして、その最愛の妻と息子を置いて逝かなければならなかった
カズパパの無念さを想うと、胸がつぶれる想いになる。
あれから4ヶ月経った今も、泣けて仕方ない。

沢山の花々と家族との思い出の品でいっぱいの
棺の中に静かに横たわるカズパパに手を合わせながら
私はカズパパに約束をした。
「この先、私はあなたの大事なYちゃんとK君に寄り添って生きて行くよ」
そう、心の中で呟いた。
きっとカズパパは「えーー、ちょっと頼りないけどなぁ」と困ったように笑いながら、私の約束を聞いていたかもしれない。


*******

闘病中のカズパパを、献身的に支え続けたYちゃんを
きっとカズパパは誇りに思うだろう。
余命数ヶ月と知らされた時も
カズパパには知らせずYちゃんが一人、心の中にしまって過ごし
ただただカズパパのためだけに献身的な看護を続けた。
カズパパ、強くて優しい女性を妻に持ったね。
あたしも、そんな女性の友人になれた事を誇りに思います。
Yちゃん、よく頑張ったね。
もちろん、息子のK君も。

******

カズパパ
いろいろお世話になりました。
あーちゃんの事を、まるで自分の子のように心配してくれたり
可愛がってくれて、本当にありがたかったです。
ありがとう。本当にありがとう。
いっぱいいっぱい、お世話になりっぱなしで
返せないままで、ごめんね。


いつ私が天国に行くかわからないけれど
私がそっちに行ったら、
たき火でもしながら、また一緒にビールでも飲もうぜ。
私はしわしわばーさんになってて、
カズパパは私をわからないかもしれないけどさ
私がカズパパをみつけるよ。

「よっ!!」って右手をあげて
挨拶するばーさんがいたらそれは私だからさ
「変なばーさん来たぜ」って逃げないで
「おう!」って迎えてくれなきゃ、いやだよ!!
それまで、YちゃんとK君、ずっと見守っていくよ。
「あーちゃんママじゃ心配だなぁ」って声が聞こえそうだけど、
まあ、そこはどうか許しておくれ。

それまで、カズパパ「またね」

****
最後になってしまったけれど
カズパパの事を記しておくことを許してくれたYちゃん。
ありがとうね。
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by candy-k1 | 2011-10-27 21:14 | できごと